【サンパウロ山本太一】28日投開票のブラジル大統領選決選投票に勝利した極右、社会自由党のジャイル・ボルソナロ下院議員(63)は、汚職の広がりや治安の悪化で国民に積もった既成政治への不信感に乗った。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用し、過激な発言で支持を集めポピュリスト(大衆迎合主義者)とも指摘される。トランプ米大統領との共通点から「ブラジルのトランプ」と呼ばれ、差別的な発言や国際協調への消極姿勢などが懸念を呼んでいる。 左派、労働党のフェルナンド・アダジ元教育相(55)との決選投票では、汚職・治安対策や経済振興策が主な争点となった。同党のルセフ前大統領時代の2014年に大規模な汚職が発覚したうえ殺人事件も多発するようになり、銃規制の緩和や罰則強化など強硬策を訴えるボルソナロ氏への期待が高まった。