週刊文春などを発行する文芸春秋(東京都千代田区)で、複数の役員や管理職らが、松井清人社長(67)提案の人事案に反発、撤回を求める要望書を提出するなど異例の事態となっている。先月末、松井社長の退任は決まったものの、社長が推す人物が新社長となる人事が内定し、社員の間で不満がくすぶり続ける。「文春砲」と呼ばれるスクープを連発している名門出版社の「お家騒動」の今後は一体どうなるのか。【山口敦雄】 発端は、松井社長が4月上旬に役員に示した人事案だった。この案は、松井社長自らが会長に就き、これまで「週刊文春」編集長など編集畑出身者が就任することが多かった社長に、経営企画室担当の中部嘉人常務(58)を充てる--という内容だった。