大分から桜の名所が無くなるかもしれない--。日田市のNPO「森と海の共生・ネットワーク」(諌本信義会長)が、大分県内の名所65カ所を調査し、9割超の60カ所で植物の病害「てんぐ巣病」の被害を確認した。そのうち4割にあたる25カ所は回復が難しく手遅れ状態と判断される「激害地」とされるなど、被害状況は深刻。ネットワークは「何もしないで放っておけば蔓延し、次々に枯れてしまう」と警鐘を鳴らしている。【尾形有菜】 てんぐ巣病は伝染病の一種。感染すると、枝が湾曲になるなど奇形となったり、葉が小さく色が薄くなったりするほか、花もあまり咲かなくなる。さらに放置すれば木は枯れてしまう。国内の桜の7割以上とされるソメイヨシノがかかりやすい病気といい、ネットワークによると、全国で被害が多発しているという。