安価で丈夫なプラスチックは多くの製品に用いられ、20世紀半ば以降の暮らしを大きく変えた。一方で、2050年までに海に流入するプラスチックごみの総重量が、世界の海に生息する魚の総重量を超えるとの予測もあり、分解されずたまり続ける大量の廃プラスチックの問題が世界で懸念されている。「便利さ」追求の陰で広がる「危機」を現場から考える。
世界で輸出される廃プラスチックの半分近くを受け入れてきた中国が、国内の環境対策で昨年末から輸入を大幅に制限した影響が世界各地に広がっている。受け皿としてタイやマレーシアなど東南アジアで廃プラ輸入量が急増しているが、これらの地域では処理量に限界があり、中国同様に輸入制限の動きも広がる。中国の政策転換で、2030年までに世界で1億トン以上の廃プラが行き場を失うとの推計も出ている。 中国は1980年代から日本や米国、欧州などが処理しきれない廃プラの受け入れを拡大してきた。原料から新たにプラスチックを生産するより低コストに抑えることができるためで、国内で分別して再加工したさまざまな製品を輸出して経済成長を支えた。16年には世界の廃プラ輸出量のおよそ半分にあたる約735万トンを受け入れた。
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