<くらしナビ 環境> 世界全体が変わらなくては 特別報告書が示すのは、「1.5度上昇なら問題ない」ということではない。約1度上昇した現在でも既に影響が生じており、1.5度ならもっと、2度を超えたらもっともっと被害に遭う人が増えるということだ。日本も今夏、各地で猛暑や豪雨を経験し、今後の被害拡大を懸念する人が増えただろう。生態系などへの不可逆的な影響を避けるためには気温上昇の幅をできるだけ小さくするのが望ましい。 報告書では科学的、経済的に理論上は1.5度にすることは可能だとする一方、そのための投資や政策、技術革新などの加速が必要だとしている。つまり、世界全体がそういった方向に変わらない限り、気温上昇を抑えるのは不可能だという指摘だ。