5~15歳の11年間、私はヤマハピアノ教室へ通っていた。5~12歳はグループコース、10~15歳には個人レッスンも始めた。といってもろくに練習などせず、毎週ぶっつけ本番とばかりに通っていたから、全くもって上達した感じもなく、それでいて辞めることもなく、惰性で通い続けていた思い出がある。 ヤマハピアノ教室では歌を歌うレッスンもあって、私はそれが好きではなかった。しかしその頃歌った「夕焼けの空を飛べたら」という曲は、そこから十数年経った今でも頭に残っている。 エレクトーンのFM音源やPCM音源で構成されているためか、音はリアルではないものの、管楽器も弦楽器も打楽器も一通り揃っており、程よく賑やかな編成となっている。 左右に振れる高い音や、重低音のあるSFXからこの曲は始まる。夕焼けの空に浮かぶ一番星や、夜の帳が近づく様子を思わせるサウンドだ。そこからはバイオリンやチェロが澄んだ空気を、トランペ