ちょうど2年前に、雑誌『エルダー』2016年10月号に寄稿した「養老保険と退職年金のはざま」は、改めて読み返してみると、なかなか鋭く議論を展開していたので、せっかくなのでお蔵出しします。 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-2f66.html 養老保険と退職年金のはざま 過去十数年にわたって公的年金問題は国政の最重要課題であり続けてきました。そのなかには社会保険庁の「消えた年金問題」のような事務手続の不備にかかわる問題もありましたが、最大の焦点はもちろん人口の少子高齢化にともなって公的年金が将来にわたって持続可能なのかという点にあったことは周知の通りです。そしてこの問題をめぐってはそれこそ汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)、山のような書物や論文、記事の類が積み上げられていますが、そもそもなぜ高齢者の割合が増えれば彼らに