でも、それがいつ実行されるのかはわからない。 明日かもしれないし、十年後かもしれない。 罪もない人の命を奪ったことに対する刑罰としての死刑なのだから、そんなのは当たり前だ、と言われればその通りだろう。けれど、自分が確実に殺されることがわかっていながら、それがいつなのかもわからないままに、毎日を生かされている。それが死刑囚だ。 現在、日本国内の拘置所には約130名の死刑確定者が収監されている。 彼ら(彼女ら)は、やがて訪れる“その日”を待ちながら、とくにすることもなく(死刑確定者は社会復帰を前提としないので、所内での労働作業がない)日々を暮らしている。 まったく見通しというものがない空間の中で、彼らに出来ることは限られている。ただひたすら怯えるか、後悔するか、夢を見るか、表現するか、だ。 広島県福山市にある鞆の津ミュージアムで開催されている「極限芸術 ~死刑囚の表現~」は、こうした死刑囚たち