記憶にしっかり残るエロ漫画の名作達にも色々なタイプがありますが、読んだ後にじっくりと考察させてくれる作品は特に心に残るものです。 今日紹介する作品は余計なことを沢山考えていたせいで、ちょっとレビューが遅れてしまいました。でも、この作品に会えて幸せです。 というわけで、舞登志郎先生の『よい子は静かに眠れない』(モエールパブリッシング)のへたレビューです。 終始優しいポエティックな雰囲気に包まれながらも、父と娘の近親相姦が持つ禁忌としての側面および両者の感情にしっかりと踏み込み、それらを介して“家族の在り様”に鋭く切り込んだ作品と個人的には見受けました。 収録作は、(おそらくかなり前の)離婚の結果、普段は離ればなれになり時々しか会えない父と娘(←参照 第2話「せめて夢だけは」より)が、実は二人が共通して見ている淫夢の中で逢瀬を重ね、それぞれの感情を鬱積させてゆく長編「夢」シリーズ全7話+後日談