京王線の始発駅である新宿は今、JR線の西側の地下にあります。しかし現在の地に落ち着くまで、駅は改称と移転を繰り返しました。当時の新宿の中心を目指して延伸するも、戦災が暗い影を落とします。 ようやく「停車場前」まで延伸 でも当時は「新宿駅裏」のような場所 東京の私鉄には、かつて意外な場所が始発駅だったという路線がいくつか存在します。始発駅の場所が変わる場合、背景には様々なドラマがあります。今回は京王線新宿駅の例を見てみましょう。 京王線は戦前、現在のJR新宿駅南口地点で中央線と山手線をまたぎ、山手線の内側へ約400m、現在、伊勢丹新宿店のある新宿三丁目交差点付近まで延びていました。「京王ビル」と呼ばれた駅ビルが建っていた時代もありました。 京王5000系電車(2017年7月、恵 知仁撮影)。 京王線の歴史を振り返っておきます。1913(大正2)年に京王電気軌道(現・京王電鉄)の笹塚~調布間が