[1] 実に尤もな疑問です。仰る通り、もしφが未定義なら、 ∃a((φ∈a)∧∀x(x∈a→(x∪{x}∈a))) は自由変数φを含んでいるから、これじゃ公理にならない。意味を考える以前に、形式からしておかしいですね。 [2] しかし、次の形の無限公理ならば意味を持ちます; 無限公理':「∃a(∃y(y∈a ∧ ∀x(¬(x∈y))) ∧ ∀x(x∈a→(x∪{x}∈a)))」 この公理からただちに ∃a∃y(y∈a ∧ ∀x(¬(x∈y))) 従って、 ∃y(∀x(¬(x∈y))) が帰結でき、このyが空集合に他なりません。ってことは、無限公理'は空集合の存在を含意している訳です。つまり、空集合を定義するのには無限公理'があれば充分で、分出公理なんか必要ないのです。 (さらに外延の公理があると、空集合は唯一であることが証明できる。で、それをφと書くことに決める。その上で、ご質問に書かれた