多品種少量時代に対応するセル生産。コンベヤ方式に比べ, 生産性や品質などの面で多くの利点を持つとして,広く普及した。 しかし,ものづくりを取り巻く環境が大きく様変わりした現在, 従来と同じやり方では,望んだ効果は得られなくなってきている。 セル生産は,個々のセルの設備が小さくて段取り替えが容易なだけでなく,1人が多工程を担当し,前後工程の作業者同士が助け合えるため,工程間ロスが少なくて済むというメリットがある。1人生産なら工程待ちを理論上ゼロにすることも可能だ。従って一般に高い生産性が期待できるとして,近年多くの企業がコンベアラインからの切り替えを図った。 段取り替えのロスが少ないので,多品種少量生産でも需要変動に対する追従が容易になる。 「カイゼン」の効果がすぐに得られるのも特徴。コンベヤラインでは,ボトルネック工程を解消しない限り全体の生産性は上がらないが,工程待ちの