◇ポイント◇ 「プラズモン」を用いて物質の屈折率を自在に制御 ナノメートルサイズの金属コイルで負の屈折率を実現 超高分解能顕微鏡や高効率光通信デバイスへの応用に期待 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、金属ナノ構造体を使って自然界には存在しない負の屈折率を持つ材料を人工的に作り出すことに成功しました。これは理研中央研究所河田ナノフォトニクス研究室の河田聡主任研究員と田中拓男先任研究員らの研究成果です。 光の伝搬は、物質が持っている屈折率によって支配されます。自然界に存在する物質の屈折率はすべて正の値であり、負の値を持つ物質は存在しません。そこで金属のナノ構造体を用いて屈折率を人工的に負に変えてしまうという手法が、近年提案されており世界中で研究が進められています。しかし、私たちの目に見える電磁場である可視光域において、実際に負の屈折率が実現できるのかどうかについては、これまでいっさ