セックスよりも恥ずかしいことは、 銀座四丁目。ブランド店がつらなる、 並木通りと松屋通りがあわさったあたりで、 ちょうどランチタイム、サラリーマンが行き交う道端で。顔をぐしゃぐしゃに濡らしながら、泣き叫ぶこと、だと思う。 あの日わたしは上京して2ヶ月、 新卒で入った某R社で、銀座をチャリでかけまわり来る日も来る日も飛び込み営業で怒られ煙たがられ拒否されを繰り返していた頃。 なにかの糸がきれて、止めた自転車の前で、地面にカバンを投げて、涙がとまらなくなったのだった。 あの日、わんわんと言葉を流す私は、知らないサラリーマンやキャリアウーマンな人々、お財布片手にしたOL的な人々に囲まれ「だいじょうぶ?」と心配され、最終的に励まされ、円陣をくまれ「とにかく、みんな応援してるから、頑張るんだよ!」とつよく肩を叩かれ「は、はいぃ"ッっっ」と涙と鼻水を氾濫させたまま、ゆがみきって何丁目かわかんない視界め