共感というのは、手を繋ぐこと。 相手の瞳をしっかり見つめて、相手の心に寄り添って、相手の気持ちを読み取って、相手を大切にしてあげること。 恋愛とは、抱きしめること。 止まらない気持ちを解きはなって、自分の手に抱きしめること。熱い恋情を相手にぶつけて、盲目になること。 共感するとき、人は相手の瞳をずっと見つめるけれど、恋愛をして抱きしめてしまえば、もう相手の瞳は見えない。 相手の心に寄り添うのではなく、ただ自分の熱い気持ちのままに、わがままに相手を欲するのが恋愛だという。 これは精神科医と患者の関係性の文脈で語られたことだけど、僕ら一般的な男女にも言える話だ。 僕と家内の関係は、共感から始まった。 若い頃、心に深い傷と呪いを抱えた彼女に僕が共感し、それがいつしか恋愛に変わった。 大人になり、結婚をして子どもたちが生まれると、ふたたび共感するようになった。 その結果お互いの傷が癒えてくると、共