ぼくは自他ともに認めるとんかつラブな男です。いつごろからとんかつ好きになったのかはおぼえていませんが、食べ盛りの高校時代に蒲田駅ビル「パリオ」(当時)にあった『とんかつ和幸』でごはん、キャベツおかわり自由を満喫していたことははっきりと記憶にあります。若かった! そんなぼくのとんかつ好きを知る友人から、こんな本があるよと紹介されたのが、『とことん! とんかつ道』(今柊二・著)。なるほど、これは黙っていられないタイトルだ。 著者は「定食評論家」とのことですが、読み始めて数ページもすると、ああこの人はぼくとはまったく違うとんかつの「道」を歩いているのだなとわかります。これは良し悪しじゃなくて、とんかつとの向き合い方、もっと言うと「道」の極め方がぼくとはちょいと違うんだなあということです。 定食評論家を名乗るだけあって、この本に一貫しているのは「ごはんをがっつり食べたい人による、かつ類オススメ論」