企業・大学・研究所で行われる研究開発を産業クラスター形成と富の創出、地域経済の振興につなげるには、「産官学+金の連携」が必要、特に、シードステージのベンチャーにリスクマネーを供給する「知財ファンド」が必要――それが今の日本に欠けている。そうした認識の下、私は2006年6月に知財開発投資株式会社の取締役に就任致しました。 知財利用の現状ですが特許の利用率は半分程度に留まっています。大企業に多くの未利用特許が眠っていますが、大学・研究機関の特許利用率はさらに低く、2005年時点で2割程度となっています。知財の利用が進まないのは、「(知財の)評価の仕方がわからない」、「流通市場が無い」などの理由がありますが、中でも事業化の部分に最も大きな問題があると考えています。 TLO法が施行され、大学知財本部整備事業が発足して以降、国のテコ入れもあって、大学の特許出願件数は増えています。しかし、こうした量的