地球温暖化対策として鳩山由紀夫首相が二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を「2020(平成32)年までに1990年比で25%削減する」と国連で表明した国際公約をめぐり、官民に困惑が広がっている。政府部内で議論がないままに鳩山首相が対外的に公約したことで「どのような道筋で達成を目指すのか」(経済産業省幹部)といぶかる声が上がっている。産業界もシンポジウムなどを開いて民主党の意向を何とか引き出したい考えだが、平成22年度予算案の編成もからんで官民とも手探り状態が続いている。 「25%削減のうち、“真水”がどれだけなのか分からなければ、今後の具体策なんて考えようがない」 経産省のある幹部はため息を漏らす。真水とは国内の努力で削減する排出量を指す。麻生太郎内閣が今年6月に示した「05年比15%(90年比8%)削減」は真水分だけだったが、鳩山首相が提唱した90年比25%削減には、海外からの排