今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [6月24日号掲載] 日本の6月はあまり好きではない。毎年この時期には、少し落ち着かない気分になる。梅雨がやって来るからではない。むしろ雨が多いイギリスの故郷を思い出すし、満開のアジサイに小雨が降り注ぐ光景はこの上なく日本的で美しい。 私が6月が苦手なのは、結婚式シーズンだから。日本の伝統的な「欧米式」結婚式ほど耐え難いものはない。 この時期はいつも、郵便受けにこじゃれた封筒が入ってないかとビクビクする。子供がめでたく結婚することになったので、式に来てほしいという内容のアレだ。これが届いたら、もう逃げられない! 日本の結婚式が耐え難い要因は複数ある。まずは身体的苦痛。日本の夏に黒いスーツを着るのは拷問に等しい。次にキリスト教を装った結婚式に加わるという信仰面での苦痛。私自身、多くのカップルに祝福を与える「週末神父」をやらないかとスカウトされたこ