かつて国土庁(現在は国土交通省)という官庁があったとき、その政策機関誌は「人と国土」というものであった。これをうまい命名だと思ったのは、政治や行政の対象領域は人と国土だからである。 保育・教育・福祉・医療など多くの国政施策は「人」に関するものであるし、「国土」についても同じことが言え、道路・空港・港湾・鉄道などの交通インフラをはじめ、治山・治水などの自然災害防御も、国土を対象とした政治や行政の領域である。 人に関するものも国土に関するものも、その多くが「利潤動機」だけではサービスされることのないもので、公共が主体として関わらなければならないものばかりといってもいい。つまりは、「みんなで、みんなのために」やらなければならないことなのである。人が政治や行政の対象であることはわかりやすい。そのためにこそ、最も基本として行政は人の戸籍を管理している。 新しい政治が始まるときには戸籍を新たに確認して