古代からある日本の固有語では、一から十の数を次のように数えていた。 『 ひ ふ み よ い む な や こ と 』 現代ではあまり聴き慣れないが、日本人であればそれほど違和感なく読めると思う。 ちなみに、二十は『はた』、三十は『みそ』、四十は『よそ』となる。ここまでくると『はたち』や『みそじ』など年齢を表す際に使用しているので、確かな覚えのある表現になる。漢字の渡来や欧州の知見が交わり、次第に廃れてしまった言葉なのだが、このように日本固有語のエッセンスは今なお残り続けている。 話が逸れてしまったが、この『ひふみよいむなやこと』。これを詳しく読み解いていくと、古代の日本人が有していた深遠な思想の一端を垣間見ることができる。 まず一から十まで、『ひ』から『と』までの全体で“人”を表しているのだそうだ。古代の日本人は、人は『ひふみよいむなやこと』の十段階を歩むものと考えていた。 一から七、つまり