脱炭素社会に向けて加速させるべき再生可能エネルギーの利用拡大——。しかし発電量の変動等の課題から、安定的に既存電力システムに組み込むには工夫が必要だ。その一つに需給調整に資する蓄電や放電を行う「系統用蓄電池」の存在がある。国や自治体の補助施策が定まるなど、本格的な社会実装が目前に迫る。2024年4月以降には系統用蓄電池に対し民間が投資の検討を行う際の判断材料が一旦出揃うなど、持続的な市場拡大に向けた市場環境が整う予定である。本コラムでは当社が系統用蓄電池の投資プロジェクトを支援してきた知見を基に、今後着目すべき市場環境変化や事業検討のポイントについて紹介する。 「系統用蓄電池」に関連しては、2023年7月の全国知事会でも支援拡充が提言されるなど、国だけでなく自治体からの期待も大きい。脱炭素社会に向けた再エネ大量導入を実現する中で、出力変動の調整や余剰電力の活用に貢献できるためである。 国や