先日、都内某所で行われたある企業懇親会に、日本のものづくりを支える多くの経営者らが参加した。そのうちの1人は「中国企業による買収話が、私の業界でもいっぱい来ている」と打ち明ける。「来月、中国からの視察団を招聘する」というコーディネーターもいた。 中国の海外企業の買収はリーマン・ショックをきっかけに加速したが、東日本大震災もまた格好の機会となるのだろうか。 日本の技術欲しさに黒船のごとく押し寄せる中国企業に、国内では拒絶反応も見られる。八王子市の町工場の経営者は、「大企業の技術ならまだしも、町工場の技術にまで手を出されたら、日本は終わりだ」と危機感を隠さない。 中国企業による日本企業の買収は、2008年が13件、2009年が20件、2010年が26件(レコフデータベースより算出)と件数は少ないものの、徐々に増えている。 この中には、山東省の中国繊維大手である山東如意科技集団によるレナウンの買