ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。 エースシステムの敷地から出た途端、東海林さんは黒野さんにかみついた。 「おい、いくつか聞きたいことがあるんだけどな」 「まあまあ、立ち話もなんだから、どっか入りましょうよ。喉も渇いたし」 そりゃ、あれだけ1人で喋れば喉も渇くだろうけど。ぼくたちは、すぐ近くのファミレスに入ると、ドリンクバーを3人分頼んでウェイトレスを追い払った。 「で、ステップ数ってマジで言ってるのか、あの人は?」 「そうみたいですね」黒野さんはえへへ、と笑った。「まあ、そういうこともあるでしょう。何が問題なんです?」 「冗談のつもりか?」東海林さんはにこりともしなかった。「プログラムの難易度がステップ数で測れるわけがないだろう」 「そりゃそうですが……」 「おれに言わせれば、時代遅れもいいとこだ」 大いに同意し