さて、西尾維新の『不気味で素朴な囲われた世界』でも読もうか、と、そのまえにシリーズの前作にあたる『きみとぼくの壊れた世界』を復習しておこうと思い、ハードカバーの新装版のほうを手にとる。今回のヴァージョンにあわせ、加筆と訂正が施されたことになっているのだが、とくに作品の印象は変わらず、諦念と紙一重のナイーヴさで描かれる青春の劇は、とてもエモーショナルに受けとれるものであった。とはいえ、たしかに書き加えられている個所があることには、気づく。全体を密に比較したわけではないので、もしかすると他にも細かいところなどあるのかもしれないけれど、たぶん、ここがいちばんおおきな変更点だろうと指摘できるのは、P190のあたり、以前のヴァージョンでいえば、P134の二段組み下部、〈いくらテストでいい点をとったところで、それは心証が悪すぎる〉の、〈いくらテストでいい点をとったところで〉と〈それは心証が悪すぎる〉の