スタイルのある特有なメロディーと抽象的で激動性のあるコードを組み合わせ、菊田氏の音楽は光と闇の究極性を巧みに表現する。スクウェアでの最後のサウンドトラック「双界儀」は、ライブの楽器音と独特の合成音を使った彼にとって一番特徴的で革新的な作品である。しかし、菊田氏の貢献にもかかわらず「双界儀」のゲーム自体はがっかりする結果に終わり、彼はクリエイティブな自由を求めスクウェアをあとにした。 菊田裕樹 の作詞作曲家になる夢はもとをたどると、十歳の時に出会ったエマーソン、レイク・アンド・パルマーに代表するプログレッシブロックグループにあたる。他の次元では、彼のアーティストとしての発展先は多様性に富んでいたであろう。関西大学を宗教学、哲学そして文化人類学で卒業後、自己発明を象徴とした仮名を使い、漫画家としてキャリアを進めていった。そして、彼の作曲の面が独学にかかわらず一番名が通っていた。1991年、未知