ドイツでは、議論はするべきもの、意見は伝えるべきものだという文化がある。 それはサッカーの世界にもあてはまる。僕だって、チームが良くなるためには積極的に口を開く。 2月15日のハンブルクとの試合では、後半のアディショナルタイムにコーナーキック(CK)から失点して、1-1の引き分けに終わった。 試合終了直後、僕はサリッチAC(アシスタントコーチ)と、相手のCKの際の守りについて激論をかわすことになった。 あのときは、わきあがった感情を抑えることはできなかった。それはこのチームで勝ち星を積み重ねていきたいと強く思っているからだ。 「マークが曖昧になってしまっていたじゃないですか! そういうことはないようにしていかないと……」 「最後に追いつかれてしまった怒りを私にぶつけるのか?」 僕らはそんな風に言葉をかわしていた。 そこに至るまでの過程について順を追って説明すると……。 そもそも、CKで守る