2020年03月10日 公開 テーブル席もいいが、できれば畳の座敷を備え、 年季が入った小型のガスロースターに焼き網をちょこんとのせ、 時折、火柱が立ったかと思えば、煙が止めどなくモクモクと出てくる。 媚びへつらうでも、偉そうにウンチクを振りかざすでも、 「匂いが付く!?」なんて疑問を客に考えさせる余地を与えるでもなく、 東にカルビを育てようとする人がいればそっと網を変え、 西にホルモンを食べようとする者がいれば黙って飯を差し出す。 一度、焼き始めれば、一心不乱に(たまに飯・酒・朝鮮漬けを挟みながら) 肉、肉、肉をこれでもか!と喰らうことに集中させ、 五感のすべてを使って「焼肉」の真髄を味あわせてくれる。 そうして、終いに、嗚呼…もう入らない!もう喰えない!と箸を置けば、 膨れ上がったその口福は胃袋から溢れ出し、皆の心を満たす幸福へと昇華される。 私はそんな昔ながらの「大衆焼肉店」が大好き