核融合発電までの道のりは遠そうです。 米国エネルギー省(DOE)との国家核安全保障局(NNSA)はローレンス・リバモア国立研究所で行われた核融合実験において、エネルギーの損益分岐点である「核融合点火」を達成し2.05MJのレーザーエネルギーを核融合燃料に投入することで、それよりも大きな3.15MJのエネルギーを発生させることに成功したと発表しました。 確かに数値を見れば、与えられたエネルギーに比べて発生したエネルギーのほうが1.5倍も大きく、核融合発電の実現に一歩前進と言えるでしょう。 研究者たちも、今回の成果が核融合技術における重要なマイルストーンになると述べています。 しかし既存のニュース報道の多くは、最終的なエネルギー収支、つまり使用電力と出力されたエネルギーの関係については触れられていません。 そこで今回は見過ごされがちな核融合の原理について解説しつつ、新たな実験で達成された本当の