派遣元の社長・Tさんから突然クビを宣告された僕は、現実を受け入れられなかった。 だが、派遣先で実力不足だと思われている以上、クビになっても仕方ない。 そう思って後任への引き継ぎを済ませた僕は、お別れ会の席上、Tさんにはめられていたことに気づく。 僕は、自分の意思で派遣先の会社を辞めたがっていることにさせられていたのだ。 しかし、もはやどうすることもできなかった僕は・・・ ごめん、会社クビになっちゃった・・・ もしも会社をクビになったら、あなたならどう家族に伝えるだろう? 僕が妻にクビになったことを告げたのは、お別れ会が開かれる一週間ほど前だった。 長男が生まれてまだ4ヶ月。 赤ちゃんの夜泣きで疲れている妻に、一体どう切り出すべきか? 数週間ほど、ああでもないこうでもないと考えた僕は、結局、直球勝負でいくことに決めた。 「ごめん、会社クビになっちゃった・・・」 夫の突然の告白に、妻はこう答え