友部正人詩集「バス停に立ち 宇宙船を待つ」 「バス停に立ち 宇宙船を待つ」 友部正人 もうだいぶ前のことになるが ぼくはバス停に立って宇宙船を待っていた どうしてそんなことをしたかというと 歌が行き詰っていたからだ ぼくの歌に乗り物がなかった どこにも行けないような気がしていた ・・・・・・・・ 結局宇宙船は来なかったが 宇宙船を待っている感覚だけが残った ・・・・・・・・ そしてぼくは今ニューヨークにいて その感覚に乗って生きている バス停で待つ必要はなかったんだ 感覚は個人的な乗り物である ・・・・・・・・ 時代は滑りやすくなっているから要注意 ぼくたちは真夜中のバス停で 雨が降るのを待っています 友部さんは歌を創る時のインスピレーションを「宇宙船」と呼んでいるのでしょうか。 詩の中で「結局宇宙船(インスピレーション)は来なかった」と言っています。 でも宇宙船を待っている感覚