映画 私はそれほど多くの映画を観ていないし、所有している映画のDVDは、せいぜい十数本。そうそう繰り返し観るものでもないので箪笥ならず、棚の肥やし状態。その中で、比較的頻繁に再生されるのが『アメリ』である。 なぜ今さら『アメリ』なのか。まず数ヶ月前に、私の文章から何かアメリ的な匂いを感じる、と数人から評され、どこらへんがそうなのか少し考えていた。そして先日、hobbitonさんが『アメリ』について触れられていて、その解釈のされかたが私の持論と非常に近く、嬉しい驚きを覚えた。そんなことで、何だか知らないけれど、今『アメリ』なわけだ。 一般的に『アメリ』はパリの香りが漂うお洒落でお茶目な恋愛映画、と評価されがちである。それは間違ってはいない。しかしその視覚的な小粋さはビターな錠剤の表面を覆う糖衣に過ぎない。 「アメリ」はオタク謳歌のフリークス映画である。 主人公のアメリは、「不思議ちゃん」と呼