<概要> 再処理技術の開発は、初期の軍事用プルトニウム生産、天然ウラン・ガス炉燃料再処理というステップを経て、現在の主流である軽水炉使用済燃料の処理へと進んだ。その結果、機械的前処理法にピューレックス(PUREX)溶媒抽出法を組み合わせた方式(湿式法)が確立した。すなわち、抽出サイクルの性能向上と全工程の簡素化による高度化、気体、液体の形で発生する放射性廃棄物の適切な処理による環境放出低減化、運転・保守の遠隔化による従事者の被ばく低減化、材質、設計、施工に関する品質管理の高度化、保障措置対応の向上、深層防護思想に基づく安全確保、稼働率の向上等、多面的な技術開発の進展で、約千トン/年規模の新しい大型施設が仏国、英国で稼働している。日本でも青森県六ケ所村に年間処理能力800トンの再処理工場が試運転を経て本格稼働を目指している。一方、高速炉時代を見据えた先進的核燃料リサイクル技術の開発が進められ