団地の部屋をかっこよく、使いやすく――。最も多く団地を管理している都市再生機構(UR)が、もっと若者に住んでもらおうと、これまでのイメージを変える部屋をつくっている。狙いは、高齢化が進む団地の若返りだ。 堺市南区にある、URの泉北茶山台二丁団地。45年ほど前にできた棟が並ぶ。せまい階段を上がって重たい鉄の扉をあけると、URが生活雑貨ブランドの「無印良品」と組んで改造した部屋がある。 47平方メートルの1LDK。白を基調にした壁に、麻を使った薄茶色の畳が敷かれている。部屋を仕切っていたふすまは取り払われ、シンプルな白いキッチンが目を引く。押し入れだったスペースは小部屋になり、机やパソコンが置かれていた。家賃は月5万4千円だ。 ここに住むのは、小森輝子さん(37)。婚約者の男性と2年前の春から住み始めた。「デザインが良い部屋は家賃が高くて住めないとあきらめていたけど、満足度は150%以上です」