日本では今、LGBT当事者は13人に1人いると言われています。これは、左利きの人やAB型の人の割合とほぼ同じ。学校のクラスや職場にも、きっと数人はいるはずなのです。 『LGBTと家族のコトバ』(LGBTER 著/双葉社)に示された数字を、意外に思う人もいるかもしれない。学校の1クラスが40人だとして、単純に割り算すれば、クラスメイトの3人くらいはLGBT(性的マイノリティ)の当事者であるかもしれないということだ。 もちろん、クラスに当事者がひとりもいない場合もあるだろう。だが、わたしたちが当事者に出会っていることを実感しにくいとすれば、彼らが自分のことを言い出さないからではないだろうか? 彼らは(あるいは自分は)、ひとりで悩んでいたのではないか。大切な人が苦しんでいるとき、どんなふうに声をかけたらいいのだろう──本書は、現代社会に生きる性的マイノリティとその家族の生き方を、彼らにインタビュ