Published 2022/12/25 13:07 (JST) Updated 2022/12/25 13:54 (JST) あと2時間で生き別れた父親に会えるはずだったのに、引き揚げ列車の中で一人亡くなった幼い女の子。死を悼んだ埼玉県さいたま市の伯父は、自分で作ったバラに「のぞみ」と女児の名を付け、現在、世界中に広まっている―。戦争に日常を奪われた子どもの実話から着想した絵本「バラになったのぞみ」(熊日出版)を、熊本市の中学校教諭、小川留里さん(63)が刊行した。小川さんは「ロシア侵攻に苦しむウクライナと、当時の日本の姿が重なる。平和の大切さを伝えたい」と語る。女児は今、さいたま市緑区の墓に眠る。 本の主人公であるのぞみちゃんは、父・今井献さん(2007年96歳で死去)が南太平洋に出征中、生まれた。1943年ごろ、母純子さんに連れられ、今井さんの実家がある満州(現中国北東部)へと渡り、