シリアの反体制派支配地域に支援物資を届けるための国境検問所は、最初4カ所あったのが3カ所に減らされ、しばらく前から1カ所だけになって「最後のライフライン」と呼ばれている。ロシアは数年来、国連によるシリアへの人道支援に関して親ロシアのアサド政権を通さない越境支援に反対してきた。 だが国連や人道支援団体にしてみればアサド政権の非支配地域に直接支援できなければ意味がない。アサド大統領が反体制派支配地域の困窮者に物資等を届けるとは考えにくいからだ。 賛成したロシアの思惑は不明 こうした理由により、シリア国境の開放維持は安保理において長年大きな争点となってきた。ロシアは多くの決議案に拒否権を行使し、そうでなければ棄権を選択してきた。ところが驚いたことに今回はロシアが賛成に回り、妥協案は今月9日、全会一致で採択された。 決議案はシリアとトルコの国境にあるバブアルハワ検問所の開放期間を7月10日まで6カ