プラネテスを読んで、今居るここも"宇宙"なのだと再認識したところで、久し振りに夜空を見上げてみた。星は見えない。あるのは鈍く輝く月と、張り巡らされた電線、そして少し視点を下げるとビルの窓明かりがあり、その間を東横線の電車がスーっと音も無く走っている。暫くするとその電車の音が微かに聞こえてきた。星は見えないけれど、その光景に何らかの繋がりを見出す事は出来た。星が見たけりゃ大気圏を突き抜ければ良い。そしたら銀河を使って発電所を作って、何とかして生き延びよう。何十年か生き延びたあかつきには、荒廃した地球か月か火星か場所はわからないけれど、どうせそこでも煙草を吸っているのだろう。やりたい事を好き勝手やって死ぬ。欲望は全て手に入れる為に存在し、また、欲望は思春期の学生の様に虚ろな目で並んでいる。だから次々とそれらを消化していかないと、僕は多分宇宙に出る前に挫折してしまう。 参考:サキノハカといふ黒い