県教委の名物職員が、教育長として山間の町の教育を変え始めた。 宮崎県五ヶ瀬町立三ヶ所(さんがしょ)小学校で昨年11月に行われた3年生の音楽の授業は、40人の児童に教師が5人がかりだった。1人の伴奏で子供全員が輪唱をした後、個別に楽器を選ぶ時点からは、教師がグループごとに付いて指導した。 昨年から始めたG授業(GはGOKASEのG)。熊本県境に接する町の人口は約5000人だが、小学校が4校、中学校が2校ある。G授業は年20回ほど、他校の子供もスクールバスで集まって一緒に行う。教師も集まれば指導は当然手厚くなる。 小中学生は全町で400人足らず。普段は輪唱も難しい。G授業では逆に、児童2人に教師1人が付いて算数を指導する場面や、小学校の教師が中学校に出向く場面もある。どんな内容の時にどういう規模が最適か探っている。 この取り組みを始めた日渡円(ひわたしまどか)町教育長(52)は県教委時代、教員