白川静さんが逝かれた。96歳だった。 虫の知らせというのだろうか、昨日は、昼間、編集部に来た写真家と現代美術家の人とも、夜、外でたまたま会って飲んだ二人とも、白川静さんのことを話し込んでいた。4年前の「風の旅人」の創刊の頃のことや、初めて京都の桂離宮の近くのご自宅を訪問した時のことなど・・・・。 白川さんは、「道」という文字を以下のように紹介している。 「異族の首を携えて、外に通じる道を進むこと。」 その説明を簡単にすると、外界に通じる道は、外族やその邪悪なる霊に接触するところであるから、その禊ぎをおこないながら進まなければならない。古代、首は強い呪力をもつと考えられ、その首を携えることで、邪霊を祓った。そのようにして啓かれたものが道であった。 「道」というのは、古代の儀礼として、そのような意味を持つものであった。それが、いつしか、道徳とか道理の意となり、その術を道術、道法といい、存在の根