高校・大学と一緒だった友達がいてさ。 彼は音楽が大変に好きで小遣いの殆どをCDに費やしてしまい、昼休みはいつもナイススティックを食べていた。 「お前んち、CD何枚持ってんの?」とか「あー今月CD買いすぎて金ねーわー」とか休み時間の度にアピールする彼を何故か嫌いになれなくて、 たまに席が近くなるとちょっと話す、くらいの関係がだらだらと続いていた。 彼のことを「音楽博士」「家がツタヤ」と呼ぶと今お気に入りのCD(たいていライブ版だ)を3枚貸してくれたので、 部屋で聞くCDにも困らなかった。後で感想を聞かれるのが困ったけど。 いつもの様に彼からCDを借りようとしたある日、 3枚のCDの中に日本語じゃないのが混じっているのに気がついた。赤ん坊が海中を悠然と泳ぐジャケット。ニルヴァーナだ。 「もうJ-POPなんてダサくて聞いてらんねー。どいつもこいつもおんなじ歌詞、おんなじコード進行ばっかりだ。これ