アベノミクスは貨幣と実物経済がどのように連関しているかを観察するための実験とみると興味深い。国際金融論のテキストには必ずと言っていいほど利用される、マンデル=フレミング・モデルやドーンブッシュのオーバーシューティング・モデルを講義で説明するとき、いつも気にして触れてしまうことが2つある。 一つは、貨幣ストック(供給)がマネタリー・ベースなどの政策手段によって、コントロールできるかという問題である。貨幣乗数の安定性に対しては、懐疑的な考え方も強い。企業が銀行から融資を受けると預金通貨として貨幣ストックの増加となるが、銀行の企業融資額は多くの要因によって決められるもので、現金通貨や日銀当座預金と安定的な比率を保つと言い切れないのである。「金融政策として貨幣ストックを増加すると……」とモデルの説明を始めるとき、「貨幣ストックがコントロールできるとして仮定して」と注を挟むのが私の習慣になっている
サービス産業の国際化の進展が著しい。日本のサービス産業のパフォーマンスは、世界的にみると必ずしも大きなものではないが、日本の企業がもつきめ細やかなサービスは、オリジナリティが高く、その優位性は簡単に模倣できるものではなく、日本の風土と長年の経験と努力により、構築されてきたものであるといえる。 したがって、日本のサービス企業が海外展開をすることは、これまでの国内での事業活動を、固有のビジネスモデルとして移転することになる。しかし、そのオリジナリティから、海外展開も一朝一夕ではいかず、また、現地と「折り合い」をつけることにも腐心するであろう。 先日、台湾を訪問した際、石川県和倉温泉にある老舗旅館加賀屋が、2010年12月に台北郊外の北投温泉にオーブンさせた日勝生加賀屋を訪問する機会を得た。加賀屋の台湾進出は、すでに『通商白書2012年版』において、「『おもてなし』という我が国独自のホスピタ
以下は現在、ベトナムで流れているテレビCMである。演じているのはベトナムを代表する俳優さんたちであるらしいが、その辺のことはよくわからないし、そもそも筆者はベトナム語が分からない。でも、内容はだれが見ても理解できるようになっている。 大富豪の娘さんが、家でラーメンを食べながら「おいしくないのよねえ」とぼやいている。それを聞きつけたお父さんは秘密組織のボスに変身し、「世界で一番うまいラーメンを探し出せ!」と指令を発する。部下たちは全世界を探し回り、「日清が一番です」と報告する。 たちまち巨大なヘリコプターが登場し、日清食品の大型トラックがホーチミン市へさらわれてくる。「Nisshin JAPAN」と記された新製品ラーメンを手に、お父さんは高笑い。 案の定、娘は「おいしいわねえ」と言って日清のラーメンを食べている。お父さんは陰でご機嫌である。ところが翌日、お母さんと一緒に出掛けたスーパー
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く