「なぁ、蘇りとか、来世とか、いろいろ言うやつ、いるけどさ、 多分、人生って、一回こっきりだと思うんだ。 その人生をどう生きるのかってのはさ、お前が判断したらいいと思うんだけどさ…」 バスが到着する時間が分かったようだ。 笠井さんが戻ってくる。 「長谷川さ、俺、思うんだけどさ、 お前の人生って お前のためにこそあると思うよ? お前の信じる道を前を向いて進んで、 そのお前を信じない子供はいないと思う。忘れるなよ、 お前の今はたった一回しかないんだからな」 小声で、後悔するなよ、と言った時、 笠井さんは到着した。 呆然とした。 僕、これ程の男と一緒に仕事してたのか…。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これが、フジテレビを迷いなく僕が辞めた理由。 一言の反論も出来なかった。 僕は、 後悔したくない。 そう思った。 3人の子供の父親だからこそ、 我慢して、理不尽を受け入れて