なぜ「炎症」が起こるのか 精神的になるべく元気でいるためには、免疫系とうつの関係を知っておいたほうがいい。その理由を理解するために、混同されがちな2つの概念──「感染」と「炎症」──を見ておこう。 「感染」とは身体が感染性物質、つまり細菌やウイルスに冒されている状態だ。一方「炎症」というのは物理的に圧迫されたり、怪我けがをしたり、毒や細菌、ウイルスによる攻撃など、あらゆる刺激に対して身体が返す答えだ。つまり炎症は感染によっても起きるが、別の要因によっても起きる。 腕を掻いて皮膚が赤くなるのも炎症だ。パンをカットする際に手が滑って指を切ったら、それも炎症。あなたの膵臓から腹部に消化酵素が漏れ出して命が危うくなるのも炎症の一種だ。 身体のどこが炎症を起こしているにしても、次のようなことが起きる。組織が損傷したり、圧迫、細菌、ウイルスによって影響を受けた細胞は、サイトカインという形で緊急シグナル
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