◆尖閣衝突の一因 己を知らず、道理をわきまえない人物が国政に一定の影響力を持ち続けることは、国民にとって不幸そのものだ。6月の首相辞任後も、ますます元気な鳩山由紀夫氏を見ていてつくづく実感する。 「私の首相時代に(日中関係は)非常に良くなってきたが、突如また崩れていくのは非常に忍びない」 鳩山氏は19日、国連の会合出席のため滞在中の米ニューヨークで記者団にこう語った。沖縄・尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件を受け、緊張が高まる日中関係についての所感としてだ。 自分が首相だったらもっとうまくやっていたと言いたげだが、そう信じているのは本人だけではないか。逆に、中国側が日本政府を甘くみて増長した一因は鳩山氏のこれまでの言動にある。 鳩山氏は5月の全国知事会議で、政府が「日本固有の領土で、歴史上、国際法上ともに疑いがない」と表明してきた尖閣諸島に関し、次のように発言した。 「(米国は)帰属問題は日