鳩山内閣の金融相に就任した、国民新党の亀井静香代表が打ち出した中小企業向け貸し出しや個人向け住宅ローンの「返済猶予制度(モラトリアム)」の導入に、銀行界は激しく反発している。「個別企業との契約内容を法律で止めようなど無理だし、考えられない」というのだ。また、中小企業取引の多くが体力の弱い地方銀行など中小金融機関に集中しているため、不安も広がっている。一方、銀行の経営健全化を推し進めてきた金融庁も困惑気味で、実現までには紆余曲折がありそうだ。 「借り手が元気になれば、返済能力が出てくる」 民主・社民・国民の連立3党の政策合意では、「貸し渋り・貸しはがし防止法」(仮称)を成立させる、としていた。亀井金融相が意欲を燃やす「返済猶予制度」はその一環とみられ、中小企業向け貸し出しや個人向け住宅ローンの返済を銀行などに猶予するよう促す仕組み。景気悪化で、売上げが伸びない中小企業や、リストラ解雇や給与カ