学習のポイント 将来の需要が不確定のとき,当初から大規模投資をするか,当初は小規模にしておき後から追加投資をするかとか,投資の決定の前に需要調査をするかどうかといった意思決定を多段階に行う方法を取り扱います。その代表的な方法であるデシジョンツリーを理解します。 キーワード 多段階意思決定,デシジョンツリー,期待値,ベイズの理論 問題の理解 問題 1単位生産した販売すると1億円の利益がある製品を生産する工場建設計画があります。対象期間を前半・後半に分けて次の3つの案があります。 ① 当初から生産能力300単位の工場(大規模)を建設する。建設費用100億円。 ② 当初は100単位の規模(小規模)にして,増強しない。建設費用50億円。 ③ 当初は100単位の規模(小規模)にして,後半で増強する。追加建設費用80億円。 前半・後半の需要は次のように確率的に予測されています。 確率 需要予測 前半