前回までは、見積もりの基本的な事項として「見積もりプロセス」「システム開発プロセスと見積もりの関係」をテーマに取り上げました。今回は、見積もりを行う上で発生しがちなユーザーとベンダーの認識の齟齬について、その発生原因と解決策を説明します。 システム開発はユーザーとベンダーの共同作業です。それぞれの立場の担当者が集まって話を進めてみると、どうも話が噛み合わない。システム開発の上流工程では、そんな場面がたびたび発生するものです。例えば、「要求事項を細かく確認してみたら、ベンダー担当者が理解したと思っていた内容が、ユーザー担当者の意図とは異なっていた」「従来通り動作するというユーザーの認識が、ベンダー担当者には伝わっていなかった」などです。 契約を交わす前なら、こうした事態に気付いた時点で双方が確認し合うことにより手戻りを未然に防ぐことができます。しかし、見積もり内容を双方が確認し契約を交わした