完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 完全失業率(季節調整値)は2.8%と前月と同水準、真の失業率は2.6%と前月より0.1ポイント低下した。引き続き、真の失業率は減少基調である。現推計時点において、真の失業率は基準年*1である1992年より改善していることとなる。 所定内給与と消費者物価の相関に関する6月までの結果は以下のようになる。賃金、物価ともに概ね先月の水準と変わらない。物価はこのところ停滞傾向である。賃金は一般労働者の所定内給与への今春闘結果*2の反映、パートタイム労働者比率の動向如何により、今後の方向性が定まると予測される。 https