骨転移の痛みは想像を絶する では、がんの中でも痛みで発見されやすいのは何か。 「すい臓がんや胆管がんです。これらのがんは、胃がんや大腸がんなどと比べて神経に浸潤しやすい性質を持っているからです。神経を辿って、神経の中継局となる部分(神経叢)にも転移し、脊椎内に転移してしまう。すると腰や背中の痛みとなって現れてきます」(前出・西原医師) このように部位による違いはあるが、末期となり骨に転移が起こった場合は、原発がんの場所に関係なく、さらに強い痛みが生じる。このがんの骨転移が、「一番痛い死に方」と言えるだろう。 がんが骨に浸潤すると、ほんの少し体の向きを変えただけでも絶叫するほどの痛みに襲われる。骨が脆くなって骨折も起こり、より痛みは強くなる。 「末期の乳がんを患った60代の女性がいました。腰椎に転移していたのですが、少し体を動かすだけでも激痛が走る。『この痛みをなんとかしてください』と涙なが